米ファイザー、11歳以下のワクチン臨床試験へ…安全性の検証急ぐ

【ワシントン=船越翔】米製薬大手ファイザーは23日、同社の新型コロナウイルスワクチンについて、11歳以下を対象とした臨床試験を近く始める意向を明らかにした。米食品医薬品局(FDA)はファイザー製の接種を16歳以上に限定しており、同社は接種対象の拡大に向けて安全性などの検証を急ぐ方針だ。

 同社のジョン・ヤング最高業務責任者(CBO)は23日の米下院公聴会で、「接種の対象ではない人たちへの効果や安全性のデータを集めている」と語った。その上で、既に実施中の12歳以上向けの臨床試験に加え、11歳以下についても「間もなく始まる」との見通しを示した。同社のワクチンは日本でも16歳以上が接種対象だ。

 米バイオ企業モデルナのスティーブン・ホーグ社長も公聴会で、18歳未満への接種が認められていないモデルナ製のワクチンについて、「臨床試験を進め、秋までに12~18歳への使用の許可を得たい」とした。

 米疾病対策センター(CDC)によると、調査が可能だった米国内の感染者約2100万人のうち、17歳以下は11・5%にあたる約240万人に上った。米国内では一部の教職員組合が、生徒のワクチン接種を対面授業の再開の条件に求めるなど、子供の接種への関心が高まっている。